01
Moon
ドアがしまります。
六本木駅の最終電車は満員に近い。
揺られながら手元の画面の光と音楽で周囲とのつながりを遮断する。
やがてトンネルをぬけるとあたり一面はネオンに照らされた夜空。
六本木の銀河鉄道の夜は満員で狭い。
130年前の東北の景色とはだいぶ違うだろう。
慣れているのだろう外の景色を見る乗客も少ない。
ぼーっと窓の外を眺めながら、フッと息をかける。
0:00 東京タワーの灯りが消える。
…同じ方角に月が出ていた。これまで気付くこともなかったのに。
あの月は昨日の月なのか、今日の月なのか、明日の月なのか…
わたしたちは昨日と今日の時空をこえる鉄道に乗っていたのだ。